トラノコ洋菓子店

高見澤音楽室

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静岡県田方郡函南町平井861-50
通常営業時間:11:00 ~ 18:00 通常営業日:金・土・日 ※時期により変動あり

高見澤淳子さん

高見澤淳子さん

高見澤淳子さんより寄稿頂きました

お菓子と音楽(時間)


トラノコ洋菓子店の溝口信子さんとは、
10年以上前の東京のライブハウスや、静岡のお寺コンサートの会場でお会いしていました。

「お菓子屋さんを開きたいんです、、」
演奏後、控えめに差し出されたクッキーは、何のかたちだったかは忘れてしまったけれど
かわいらしいものたちが袋のなかで同居していました。
ありがとうございます、といただいて
家に帰って口に入れた時の衝撃は忘れません。

控えめな彼女の印象とはかけはなれた
ふわりとすべての感覚を満足させてしまうような
おどろくようなお味でした。

それから10年近く私はコンサートから離れていたのですが、
2023年春に久しぶりにコンサートを開くことになったその直前に、
突然メールをいただきました。

「今年でお店を開いて10年になります。記念にお菓子と音楽を箱に入れてお客様にお届けしたいです。
お店を美術館のようにもしたいです。」

信子さんは、選び抜いた材料を季節季節のお祝いや行動にあわせて
みなさんの生活にお菓子を添える立派な職人さんになっていたのです。

そしてこれからもっともっと思い描く世界があって、
それをみなさんに届けようとしていることが伝わってきました。

10数年の時を経てコンサートでお会いした信子さんは
もうすっかり慣れた様子でお菓子を手渡してくださり、
それは名入りの立派な箱にたくさん、うつくしく並んでいました。


「涼しくなって来る時期、寒い時期にみなさんは洋菓子を食べたくなります」
「秋から春までにたくさんの節目、行事がありますよね、うきうきするような!」

それから静岡県函南(かんなみ)町にある信子さんのお店に伺って、工房を拝見して、
お菓子を買っていかれる方の合間にお話を聞きました。

みなさんの家にお菓子が持ち帰られ、食べられる様子をあれこれと想像しました。

1人でしずかに食べる焼き菓子
2人で食べるケーキ(ムードはさまざま)
3人で囲むバースデーケーキ
大勢でわいわい選びながら食べるクッキー

きっとそこには、それぞれのとくべつな時間があるのですね。
その時間を思いながら、1曲ずつに信子さんのお菓子の名前をつけて演奏しました。
信子さんの内側にながれる情熱や行動力や日々のことも思いました。

この音楽がお菓子とみなさんの時間に寄り添えますように。
このピアノを聞くとお菓子が食べたくなる、でも良いかしら、、

信子さん、10周年ほんとうにおめでとうございます!
いろいろなことがあったことでしょう、お疲れ様でした。
そしてこれからも極上のお菓子でみなさんの良い時間を作って下さいね。


高見澤音楽室
高見澤淳子

高見澤淳子さんプロフィール

⚪プロフィール
高見澤 淳子 : piano / ssw
2003-2008年に ‘えこ’ 名義で活動。休止期間を経て2022年に本名で活動を再開。
同年、自然と共に自身を描いたピアノ弾き語りアルバム『季節』をリリース。
ピアノソロ作品として、休止期間中に自らの録音で静寂を切り取った『星霜』。
2023年11月トラノコ洋菓子店10周年のために、
お菓子をかこむ時間を描いた新作『toranoco』をリリース予定。
独自の視点でレッスンや音楽療法を行う高見澤音楽室を主宰。

 

⚪HP
https://takamisawaongakusitsu.com/

 

⚪instagram
https://www.instagram.com/takamisawaongakusitsu

トラノコより

「ちょっとお茶を入れて静かで安心した時間を過ごす時に聴こえるピアノの音」
「蝶がふわふわ飛んでいるような柔らかい光のあるカラフルなイメージ」「陽の光でも月の光でも素敵ですね」
と最初にお伝えしてから半年。
そのままを淳子さんの澄んだピアノの音色でたくさんの曲にしてくださいました。

初めてお会いしたのは大好きなギタリストのライブを聴きに行ったライブハウスだったと思います。
透き通る声と鍵盤のクラッシックな音色、静かな時間がふと訪れるような演奏にすっかり惹き込まれてしまいました。

「いつかお菓子に合わせて音楽を作っていただけたら素敵だなぁと憧れていたのですが、この機会に勇気を出してご連絡してみようと思い立ちました。」
と突然のメールを差し上げたのは
昨年の9月28日、来年は10周年を迎えるのだなぁと改めて思った9周年の直前。

ちょうどお菓子のお店を出してがんばろうと決意した頃に「喫茶ハーモニカ」という海辺の喫茶店で流れる音楽が聴こえる淳子さんのアルバムが大好きで繰り返し聴いていて、月日を経てこの度のお願いにつながりました。

はじめに私のふわっとした曲のイメージを丁寧に聴いてくださり、3月、教会での淳子さんのピアノの演奏会にお邪魔して、本当に久しぶりの再会を。
4月にはトラノコ洋菓子店まで、ご家族でご来店くださいました。

今出来上がったCDが届くのをわくわくしながら待っております。
早く皆様に聴いていただきたい。

そしていつか、トラノコのお菓子と淳子さんの演奏で
お茶会が開けたらなぁ…と夢は広がるばかりです。

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